今日は市内の美容室の看板の注文をいただいた。

雨の中、チャリで伺った。

とても感じの良いおばちゃんだった。当然経営者としてお金には厳しかったが。

看板を作り替えたい思いはあったものの、他社見積10万5千円で払えないので、古くなって、文字が消えかかっている看板を放置していたらしい。

サイズが大きいので、他社見積10万5千円は、看板業界では割と妥当な額ではある。

原価率は低いものの、加工がかなり大変で人件費がかかる。

店の常連さんからも、みっともないから看板くらいはなんとかして欲しいと言われていたらしく、材料はそんなに良いものじゃなくていいから、安くリニューアルしたいとの思いがあったらしい。

立地は交通量の多いかなり良い場所にあるので、確かに勿体無い。

もともと僕は鳥取の色あせたり錆びたりした看板を綺麗にすることで、見た目から鳥取を元気にしたいという思いがあるので、まさにやりたいことにぴったりだった。

ただ、やったことのないタイプの看板だったので、今回に関してはクオリティは保証できない。

そのため、今回の施工で勉強させて頂くということで、その旨を伝え、

他社見積より6万安い、4万5千を提案した。

相手の状況を分かった上で、人件費含めて必要なお金は取らなきゃいけないので、ちょっと心苦しかったが了承いただいた。

ショーウィンドウの文字もほとんど剥がれて汚れていたので、そこも一新するということで、5千円追加(超格安でサービス)でなんとか5万に。

2回払いOKにして、看板の色や、文字などを打ち合わせしたり、世間話したりして帰宅した。

鳥取の小さな店は看板の張替や広告を出せないほど経済が冷え込んでいるとは聞いていたが、実際の感じがとてもよく分かった。

しかし、完璧なクオリティよりは価格の安さを切に求められているので、施工実績や経験を積むのにはこれ以上ない最高の環境だと思う。

実は、この美容室だけでなく、周囲も看板が古びている状況なので、その美容室を綺麗にすると相当目立つ。交通量多いし、昔からの人の繋がりのあるところなので、美容室も僕自身も良い宣伝効果は期待できる。

何よりも、看板の張替によって美容室のお客さんが増えてくれたら嬉しいし、自分の力で人の役に立てるのはとても嬉しい。

この調子で少しずつでも、変化を起こせていけたらいいなと思う。今はとにかく経験を積む時期。

看板業ははっきりとビフォーアフターがわかるので、それが何より楽しい。

施工経験のない、それも学生に店の顔である看板を任せていただけたことに今日も本当に感謝。

自分の考えと相手の考えは、似ているようにみえても細かい部分では沢山異なっているので、自分の思い込みで突っ走らず、まずしっかりと相手の話を聞いて、要望に答える提案をすることが大切だと今日思った。

「自分にとって良いもの、一般的に良いもの、相手にとって良いもの」は全部別々でイコールではないということを常に忘れずにいようと思う。